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岐阜地方裁判所 昭和46年(わ)31号 判決 1971年10月11日

本店所在地

岐阜市問屋町一丁目一六番地

株式会社 坂口スラックス

右代表取締役

坂口秋男

本籍

岐阜市木田一〇四七番地

住居

岐阜市寺島町一丁目六番地

会社役員

坂口秋男

昭和四年一一月二五日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官山岸赳夫出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社坂口スラツクスを罰金一五〇万円に

被告人坂口秋男を懲役四月に

各処する。

被告人坂口秋男に対し、この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社坂口スラツクスは岐阜市問屋町一丁目一六番地に本店を有し紳士用替ズボン等の製造卸販売を目的とする株式会社であり、被告人坂口秋男は同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄しているものであるが、被告人坂口において、同会社の業務に関し法人税を免れようと企て、同会社の売上げを除外し、架空の仕入れを計上するなどの不正の行為によりその所得の一部を秘匿したうえ

一、昭和四二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人会社の所得金額が一五七七万八、六八一円でありこれに対する法人税額が五二一万二、九〇〇円であるのにかかわらず、昭和四三年二月二九日所轄岐阜北税務署において、同署長に対し、同会社の同事業年度における所得金額が三八〇万三、二九二円でありこれに対する法人税額が一〇三万〇、七〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同会社の同事業年度における法人税額四一八万二、二〇〇円を免れ

二、昭和四三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人会社の所得金額が一三二〇万一、四〇二円でありこれに対する法人税額が四二八万五、二〇〇円であるのにかかわらず、昭和四四年二月二八日所轄の前記税務署において、同署長に対し、同会社の同事業年度における所得金額が五八五万三、五七三円でありこれに対する法人税額が一七一万九、八〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同会社の同事業年度における法人税額二五六万五、四〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

判示全般の事実について

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書六通

一、被告人作成の上申書

一、渡辺進(二通)、飯田泰男、坂井康郎、多田政喜、内藤淳夫、坂口昭三(三通)箕浦春子、坂口式子(二通)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、森庄司、河合喜三、清水常男、水谷鐸雄、旧井義夫、高橋俊男、滝本一夫、坂井康郎各作成の上申書

一、大蔵事務官作成の有価証券確認書二通

一、中央信託銀行株式会社岐阜支店長藤田彪、株式会社十六銀行徹明支店長矢野梅太郎、株式会社協和銀行岐阜支店長浜本章、株式会社住友銀行岐阜支店長梅本和男、株式会社三和銀行岐阜支店長吉田俊雄、株式会社大垣共立銀行岐阜駅前支店長市田靖、日本勧業銀行岐阜支店長、株式会社住友銀行一宮支店長瀬古田郎、株式会社第一銀行一宮支店長槌野信徳、商工組合中央金庫岐阜支店長遠藤賢爾名作成の証明書

一、大蔵事務官作成の調査報告書四通

一、押収してある銀行別預金明細一綴(昭和四六年押第四六号の一)

一、押収してある手帳一冊(同号の二)

一、押収してある銀行計算書四綴(同号の三ないし六)

一、押収してある決算書(同号の七)

一、商工中金計算書等一綴(同号の八)

判示冒頭の事実について

一、岐阜地方法務局登記官作成の登記薄謄本

判示第一の事実について

一、岐阜北税務署長作成の証明書(被告人会社が昭和四三年二月二九日に申告した法人税申告書写のある分)

一、押収してある四二年度元帳一冊(同号の九)

一、押収してある四二年度金銭出入帳一冊(同号の一一)

一、押収してある四二年度銀行勘定帳一冊(同号の一三)

一、押収してある四二年度売掛台帳一冊(同号の一五)

一、押収してある四二年度仕入帳一冊(同号の一七)

判示第二の事実について

一、岐阜北税務署長作成の証明書(被告人会社が昭和四四年二月二八日に申告した法人税申告書写のある分)

一、押収してある四三年度元帳一冊(同号の一〇)

一、押収してある四三年度金銭出入帳一冊(同号の一二)

一、押収してある四三年度銀行勘定帳一冊(同号の一四)

一、押収してある四三年度売掛台帳一冊(同号の一六)

一、押収してある四三年度仕入帳一冊(同号の一八)

(法令の適用)

被告人株式会社坂口スラツクスの判示第一及び第二の各所為は、いずれも法人税法第一六四条第一項、第一五九条第一項に各該当するところ、右は刑法第四五条前段の併合罪であるから同法第四八条第二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で同被告人を罰金一五〇万円に処し、被告人坂口秋男の判示第一及び第二の各所為は、いずれも法人税法第一五九条第一項に各該当するところ、所定刑中懲役刑を選択し、右は刑法第四五条前段の併合罪であるから、同法第四七条本文、第一〇条により、犯情の重いと認める判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役四月に処し、情状により同法第二五条第一項を適用して、同被告人に対しこの裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 小島祐史)

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